歌
こんにちは、過去の僕。
随分と変わり果てたもんだ。
こんにちは、未来の僕。
随分と君に近づいたもんだ。
眠い体に鞭打って、
淀んだ目をして、
期待と過去に追い立てられて、
また歌を歌うのか。
空虚な言葉で歌を紡ぐ。
過去と名声が空虚にすら意味をつける。
過程が織り成す成果に踊らされる滑稽な結果。
眠ったほうがいい、まだ目覚めるには早すぎた。
ずっと眠っていてもいい、それでも残る歌は残る。
希望どころか空虚さで穴が空く。
紡ぎたい言葉はそれじゃぁないだろう?
己の無価値に価値を見出されたそれが、
緩やかに滅びる事を知らないはずないだろうに。
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