ビルの上の神様
白いスカートがひらりひらりと揺れていた。
あちら側とこちら側。
数歩離れた距離で世界は違って、
あの子は大きく笑みを作った。
白いスカートがざわざわなった。
捨てる神あれば拾う神あり。
捨てなければ拾えないのかも。
あの子はそこで何を見たの。
白い布がべったり広がった。
僕は神様を捨てた。
手を伸ばせば届いたかもなんて、
思ってはいたけど動けなくて、
それはあの子の笑みに見惚れていたからなんて。
落ちた神様は何処に行くの?
白い羽がひらひら舞った。
春に生まれたモンシロチョウ。
蝶は死んだ人の生まれ変わりだと、
誰かが教えてくれたっけ。
嘘吐き神様。
僕は閻魔大王。
僕は蝶の舌を抜いた。
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